足場の組立て等作業主任者ってどんな資格? 役割や資格取得のメリットを紹介

皆さんこんにちは。

埼玉県川口市を拠点に、東京都や千葉県で足場工事などを手掛けている株式会社西澤架設です。


足場の組立や解体といった作業は、転落・墜落などの労働災害が非常に発生しやすい仕事です。このような現場では、作業員個人が安全に気をつけるだけでなく、チームを指揮監督して安全を守るリーダーがいなければなりません。そのための役職および資格が「足場の組立て等作業主任者」です。ここでは、足場の組立て等作業主任者の役割や資格の取得方法、取得するメリットをご紹介します。




■足場の組立て等作業主任者とは?



足場の組立て等作業主任者は、足場工事の現場において作業員を指揮監督する役職のこと、およびその役職につくために必要な国家資格のことです。足場工事中の労働災害防止などを主な役目としています。足場工事の現場における、労働安全衛生上の責任者と考えていいでしょう。


足場工事は高所作業が多く、常に転落・墜落のリスクがあります。重い資材の落下や、クレーンで運搬中の資材への衝突・挟まれといった事故も少なくありません。事実として建設業界は、労働災害による死亡者数が全産業中で最も多く、休業4日以上の死傷者数も2位となっています。


加えて、足場は他業種の多くの職人が作業する場所です。もし足場に不備があれば、多くの職人が危険にさらされ、建設工事そのものに支障をきたします。足場工は建設現場全体を支えている存在であるがゆえに、責任も重大です。


こういった労働災害やトラブルを防ぎ、安全に足場工事を行うためには、現場を指揮するリーダーがいなければなりません。その役職および資格が、足場の組立て等作業主任者なのです。




■足場の組立て等作業主任者の選任は義務! 配置しないと違法です



労働安全衛生法では、つり足場(ゴンドラを除く)、張出し足場または高さが5m以上の足場の組立て、解体または変更の作業を行う場合は、有資格者を現場の作業主任者として専任し、作業員の指揮をさせるよう定めています。つまり、足場の組立て等作業主任者の選任は、足場工事を行う事業者の「義務」です。


足場の組立て等作業主任者を現場に配置しなければ、足場の組立や解体といった作業自体ができません。もし足場の組立て等作業主任者を選任していなかったり、資格を持っていない人を選任して作業を行わせたりした場合は、違法行為になってしまいます。


違法行為が発覚すれば、適正な状態にするよう監督行政庁から行政処分が下されます。この時点で、公共工事の指名停止処分(入札参加を認めない処分)を受ける可能性もあります。行政処分を受けた会社の名前は公表されるので、社会的な信用も失うでしょう。


そして、改善の指示処分を受けても従わず、法令違反を繰り返した場合は、営業停止処分や建設業許可の取り消しといった重い処分が下される可能性があります。関わった従業員や雇用主・法人に対して、懲役や罰金といった刑事罰が科されるおそれもあり、事業の継続が不可能になるケースも珍しくありません。


さらに、法令違反をしている状態で労働災害が発生すると、労働災害保険が適用されない可能性があります。つまり保険金が下りないので、被害者となった作業員の救済が難しくなってしまうのです。


こういった事情により、足場工事を行う事業者は、必ず足場の組立て等作業主任者を専任する必要があります。足場工の求人に応募する場合も、法令をしっかり守っている会社かどうかをチェックすることが大切です。




■足場の組立て等作業主任者になるには、講習を受ける必要があります



足場の組立て等作業主任者の資格を取得するためには、「足場の組立て等作業主任者技能講習」を受講し、講習後に行われる修了試験に合格する必要があります。受講資格や試験の内容、合格基準などを確認しておきましょう。



・受講資格



足場の組立て等作業主任者技能講習を受講するためには、満21歳以上かつ、足場の組立、解体、変更作業に3年以上従事した経験が必要です。また、満20歳以上で、大学、高専、高校、中学において土木、建築または造船に関する学科を専攻し、その後2年以上足場作業に従事した経験がある方も受講できます。その他、特定の技能検定に合格している方や、特定の職業訓練指導員免許を保有している方も受講可能です。


なお、平成29年7月以降は、「足場の組立て等特別教育」を修了してからの作業経験のみが認められるようになりました。これは、「足場の組立て等特別教育」を修了した者でなければ、足場作業に従事できないようにルールが変更されたからです。キャリアにブランクのある方などは、必要な作業経験を満たしているかどうかを詳しく確認してください。



・受講費用



受講料はテキスト代込みで1万6,000円ほどです(自治体による)。個人で支払えない金額ではありませんが、従業員の資格取得を支援する制度がある会社なら、受講料を会社に負担してもらうことができます。


本格的に足場作業員としてキャリアアップしたければ、他にもいろいろな資格を取得する必要があるので、会社に資格取得の支援制度があるかどうかは重要です。就職先の会社を選ぶ時は、このような点にも注目するといいでしょう。



・講習内容



講習内容は、作業の方法に関する知識が7時間、工事用設備・機械・器具・作業環境等に関する知識が3時間、作業者に対する教育等に関する知識が1.5時間、関係法令が1.5時間、そして学科試験が1時間です。講習は2日間、7時間ずつに分けて行われ、2日目の最後に試験があります。


なお、講習コースは大きく分けるとA・B・Cの3つがあり、どの受講資格を満たしているのかによって受講するコースが変わります。BコースとCコースは一部の講習科目が免除されるので、自分がどれに該当するのかを確認しておきましょう。



・合格基準



修了試験に合格するためには、全科目合計で60点以上、かつ各科目40%以上の正解率が必要です。実際のところ、講師が「ここは試験に出ます」「ここは重要なので覚えておいてください」といったことを教えてくれるので、しっかり講習を聞いていれば試験に落ちることはまずありません。


そのため、合格率はほぼ100%となっています。もっとも、講習の内容は覚えておかないと困ることばかりなので、できる限り高得点を取れるようにしましょう。



・試験内容



試験の形式は、3択もしくは5択の選択形式です。試験では主に以下の内容が問われますが、特に安全管理の注意事項は必出箇所なので、よくチェックしておいてください。



*足場の組立て・解体・変更等の作業に関する知識



足場の種類と材料、足場の構造および組立図、足場の点検などに関する問題が出題されます。



*工事用設備・機械・器具・作業環境等に関する知識



工事用設備および機械の取扱い、器具および工具、電気などに関する問題が出題されます。



*作業者に対する教育に関する知識



作業者に対する教育および指導の方法、作業標準、災害発生時における措置などに関する問題が出題されます。



*関係法令



労働安全衛生法、労働安全衛生法施行令、クレーン等安全規則の関係条項などに関する問題が出題されます。




■足場の組立て等作業主任者の資格を取得するメリット


 


足場の組立て等作業主任者の資格を取得しておくと、多くのメリットが得られます。最も重要なメリットは、やはりキャリアアップにつながることです。


足場の組立て等作業主任者は現場のリーダーであり、作業員を指揮監督して工事を安全に進める責任を負います。当然、待遇もそれに見合ったものになるので、給与もアップするでしょう。会社によっては、資格を持っているだけで手当がもらえる場合もあります。


また、現場のリーダーになれるということは、一般の作業員とは違う仕事ができるということです。作業主任者としての経験を積めば、足場工としていっそう成長することができます。施工管理など、より責任あるポジションを目指す場合にも、作業主任者としての経験は大いに役立つでしょう。


さらに、前述した通り、足場の組立て等作業主任者の選任は事業者の義務です。そのため、最低でも手掛ける現場の数だけ有資格者が在籍していなければなりません。近年は建設業界が深刻な人手不足に陥っていることもあって、有資格者は貴重な人材です。多くの足場工事業者が求めているので、資格を持っていれば転職の際に大変有利になります。


加えて、転職時に自分のスキルを証明しやすくなるのも大きなメリットです。足場の組立て等作業主任者技能講習を受講するためには、原則として3年以上、学歴の条件を満たす場合でも2年以上の足場工事の経験を有していなければなりません。


つまり、足場の組立て等作業主任者の資格を持っていれば、最低でも2年~3年の実務経験があることがひと目でわかります。即戦力を求めている会社であれば、この点に大いに注目してくれるでしょう。




■西澤架設では、未経験者を積極的に募集しています!



足場の組立て等作業主任者は、足場工事の現場でリーダーを務め労働災害の発生を防ぐ重要な存在です。資格を保有していれば活躍の場が広がり、キャリアアップや転職において有利になるため、受験資格を満たしたら早い段階で取得するべきだといえます。


また、講習を受けるための条件が年齢と実務経験だけなので、未経験からでも取得しやすいのも魅力です。こういった資格を取得し、手に職をつけるために建設業界に飛び込むのもいいでしょう。足場工事は常に需要があるため、有用な資格を持っていれば将来にわたって安定して働けます。興味のある方は、西澤架設で足場作業員としてのキャリアをスタートしませんか?



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